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[本004]この世界、そして花火/ジム・トンプスン [小説]

★★★★☆
ジム・トンプスン「この世界、そして花火


この世界、そして花火 (扶桑社ミステリー)

この世界、そして花火 (扶桑社ミステリー)




トンプスン邦訳初の短編集。

トンプスンの長編は、大抵ユーモアたっぷりの飄々とした語り口で始まる。
そのうち、なにげない(でも衝撃的な)ちょっとした暴力に目を覚まされ、
息苦しい長い時間があって、強烈な崩壊が訪れる。

長編作品は(邦訳で出たものは)全部読んだけど、
どの作品も、読み進めているうちにねばりつくような不快な感じに襲われる。
底なし沼に嵌ってしまったようなとはまさにこういう感覚だろう、と思える、
なにかどろどろしたものの中に身体ごと突っ込んでしまったような感じ。

短編は、あの世界が捻れていくような感じに至る前の
ちょっとした序章という趣きだけど、
短編然とした乾いたユーモアがあって面白い。
この短編集自体は「ジム・トンプスン最強読本」に収録されたものや
ミステリマガジン等に掲載されたものを寄せ集めたもので、
オリジナルの短編集ではないので、まとまった印象というのはないんだけど、
このような短編がまとめて読めるのは、ファンとして喜びですね。

収録作の中でも、表題作と未完の「深夜の薄明」は中編といっていい長さで
これは長編に近い感触がある。
特に表題作は傑作「内なる殺人者」にも通じる叙情性があり、とても気に入った。
映画化されているので是非観てみたいけど、DVDは出ていないみたい。
ビデオはあるようだけど、多分見つからないだろうな。

この本は翻訳者、三川基好さんへ追悼の意味もあるらしい。
三川さんについてはまた後日。
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